苔アート

 

アーティスト + コラボ作品紹介

苔伝道師 増田 真人

兵庫県神戸市から、雲海に浮かぶ天空の城・竹田城跡で知られる朝来市に移住して以来、苔の奥深さと神秘に魅せられ、苔職人としての道を歩み始めました。

決定的な出会いは、北八ヶ岳の「もののけの森」。森の静けさと苔の息づかいを感じたあの瞬間から、苔を通じて“癒し”と“つながり”を届ける生き方が始まりました。

趣味は登山や苔散策。

日々の暮らしの中で苔の表情を観察し、四季折々の変化を楽しみながら、「手のひらの自然」としての苔テラリウムの可能性を探究しています。

現在は「ちいさな苔屋さん」代表として、苔テラリウムの制作・販売・講座に加え、自然と人をつなぐ苔リトリートツアーの企画・ガイド、各種メディア出演、地域連携イベントも多数展開中。

「日常に静かな森の時間を」をコンセプトに、誰もが自然と繋がれるきっかけを作ることを目指しています。

Ayano

主人の転勤で兵庫県に住んでいた時、「ヘナアート」と出逢いました。
もともと美容師だった私は、ヘナといえば髪を染めるもの、という認識しかありませんでした。
「あのヘナでアートができるの?」と驚き、興味を持ったのが始まりです。
子どもの頃から絵を描くことが大好きだった私は、気づけばどんどんヘナアートの世界に惹かれていきました。
インドでは、美と豊かさの女神「ラクシュミー」が愛したとされるヘナ。
その恩恵にあやかろうと、体に模様を描き、幸運を願う文化があります。模様一つひとつにも意味があり、お守りやおまじないとして大切にされてきました。
私はこのヘナアートの技法を活かして、アクリル絵の具で物にも絵を描くようになりました。
体に描くときも、物に描くときも、見る人の心が少しでも癒されるように、一筆一筆、心を込めて描いています。
ご縁をいただき、仏具に絵を描く取り組みにも挑戦しています。
これまでにない経験に、自分の未熟さに落胆することもありますが、それ以上にワクワクやドキドキを感じています。
これからもスタッフの皆さんに支えていただきながら、自分にできる精一杯を表現していきたいと思っています。
どうぞよろしくお願いいたします。

阪口 奈都子

子どもの頃に家族旅行で訪れた山々の苔むした風景。それは今でも記憶に残る鮮烈な体験でした。大人になり、子育てをするなかで、再び自然の中に身を置くことの大切さを感じるようになりました。そして出会ったのが、苔テラリウムの世界です。

テラリウムマスター講座での学びを経て、ただ“つくる”だけでなく、苔の生態や環境づくりを含めた“育てる”観点を得たことで、作品に込める想いが一段と強くなりました。

今では、自宅でも苔を育て、息子と一緒に自然を感じる時間を大切にしています。苔は過去の記憶と現在を繋ぎ、新しい癒しを与えてくれる存在。心がほっとする作品を届けられるよう、日々、創作活動を楽しんでいます。

コラボ作品:Ayano + 坂口 奈都子

想い

「三室の滝と金屋子神の伝説」
兵庫県宍粟市千種町の豊かな自然と、たたら製鉄の神「金屋子神」の伝説を閉じ込めたテラリウム作品です。
作品の中央には、千種町に実在する美しい三室の滝を再現。清らかな水の流れと、周囲の緑豊かな風景が、見る人の心を癒します。
台座には、メヘンディーアートで金屋子神の伝説を描きました。雨乞いをする村人の前に舞い降り、人々に恵みをもたらした金屋子神。白鷺に乗り、出雲へと旅立ったという神秘的な物語を、繊細な模様で表現しています。
たたら製鉄は、かつてこの地に繁栄をもたらした技術ですが、自然破壊という側面も持ち合わせていました。しかし、時を経て、自然は再び豊かな森を取り戻しました。
この作品は、文明と自然の関係について、私たちに問いかけます。人は自然とどのように関わるべきなのか。テラリウムという小さな空間に閉じ込められた風景と伝説は、私たちに大切なメッセージを伝えてくれるでしょう。

①このコラボの話が来た時
②猫カフェで顔合わせした時
③2人で作品のテーマ決めた時
④あやのんの作品作りでこだわったところ、苦労、嬉しかったこと
⑤なっちゃんのテラリウム見て思ったこと
⑥初作品完成してみて

打ち合わせで、なつさんと話ししてるときから、もうなつさんが暖かく包んでくれてて、なつさんの想いを受け取りながら自由に描かせてもらって、それを最大に引き出してくれて最強のコラボ作品にしてくれたなつさんに、ほんまに感謝です(涙)
そして、この話をくれたかりもんちゃんはじめ、ツナムスのみなさんにほんまにほんまに感謝です(涙)

①こんな私がコラボで万博に出展なんて!!そんな素敵な話をくださってありがとうございます!!
②優しそうで、でも芯がある方だな。って感じました!
③今回の万博のテーマに「いのち」というワードがあるので、自然の命、動物の命、、大きなテーマなだけに、それを表現する事に、不安半分、楽しみ半分でした。
④元の仏具が真鍮?だったので、この色を消して、土っぽい色に仕上げて、絵を描いていきました。
テーマがテーマなだけに、それをこの大きさの中で、しかもゴールド1色で表現していくことの難しさを感じました。
下描きは基本描かないので、一発で描いて、納得いかない部分を土台の焦げ茶を作って塗って、また上から描いて。。を何度も繰り返して、作品を仕上げました。
正直、出来上がった時も、100%納得いくものが仕上がったわけではなく、でも、もう、なつさんにバトンタッチしよう!と作品をなつさんの元へ送ってもらいました。

土台の上に苔テラリウムを置いた、完成したコラボ作品を見た時には、鳥肌がたって、心の奥の方からこみ上げてくる感情がありました。
私1人で仕上げた作品は100%に感じなかった物が、なつさんの作品と一緒になったことで、100%、120%にもなったように感じました。

コラボ作品は、自分1人の想いを表現するだけではなく、お互いに相手の想いを感じながらの共同作業なんだなと言うことを
そして仕上がった時の喜びも2倍3倍になるのだなということを改めて感じました。

Ayanoさんへインタビュー

①このコラボの話が来た時
②猫カフェで顔合わせした時
③2人で作品のテーマ決めた時
④あやのんの作品を受け取った時
⑤テラリウム作りでこだわったところ、苦労、嬉しかったこと
⑥初作品完成してみて

① コラボするアーティストさんをあやのさんに決めた時からワクワクが止まりませんでした。
② なんと繊細で可愛い人なのだろうと思いました。
③ 大枠で決めたテーマを話し合うことで、自分が表現したいもの、伝えたいことが明確に鮮明になっていくのを感じました。
④ 感動で胸が震えました。私が言葉で上手く伝えられなかったことまで汲み取って形になっていて、感性の豊かさと作品に向き合う真剣さを強く感じました。
⑤ 「コラボする」という意味をひたすら考えていました。技術的なことではなく、「コラボ」にこだわりました。どちらか一方ではなく、二人の作品を合わせて、感動が何倍にもなるような完成を目指しました。
⑥ あやのさんの真剣さが胸を打ちました。コラボできてとても光栄に感じています。

阪口さんへインタビュー

36 -ミロク-

私は生まれも育ちも岡山ですが、幼少期の夏休みと冬休みは、ほとんどの時間を三重の祖父母の家で過ごしました。祖父母の家には金色に輝き、細やかな装飾が施された立派なお仏壇がありました。祖父がお勤めをする際には私たち子供も一緒になってお経をあげたりしていました。仏壇や仏具を祖父母がとても大事にしているのをいつも見ていたので、私たちは中をじっくりと眺めてみたり、そっと丁寧に扉を閉じたりしていました。また、「ごはんさん」と呼ばれる仏飯器に盛ったご飯は、お昼にさげてひと粒残らず丁寧にいただくということも自然に教わったことでした。今思えば、仏具再生のお話をいただいた時に、何のためらいもなく仏具を手に取り、向き合うことができたのもその頃の暮らしの記憶がしみついていたからかも知れません。私は普段お菓子屋を営んでおりますが、仏具再生アーティストとしての活動をすることになったのはもしかすると祖父母の思いなのかも知れません。それを思いながらこれからも心に響くような作品を創作してまいりたいと思います。

髙岡 忠宏

 庭にそびえる大きながじゅまるの木やその根元に群生する苔植物に心を奪われた沖縄での幼少期の原体験をベースに、シンプルかつ都会的なアプローチの作品を得意とする。

癒しと活力が共生する苔リトリートツアー・テラリウム展示・ワークショップ、クリエーター活動を通じて、現代人が自然と再接続するための小さな場を提供し続けています。 

・Feel the garden クリエイターコース修了
・兵庫テラリウム協会 テラリウムマスター修了
・自然観察指導員

コラボ作品:36 -ミロク- + 髙岡 忠宏

想い

「 コトノハノリンネ -生まれ、生きること- 」

本作品は、Rinneに携わるアーティスト36の作品に、36のもうひとつの魅力であるmushinootoとしての活動である【詩=言葉】の創作活動にフィーチャーし、苔植物の【生】と【詩】を融合させることで、アートを見る度に、今を生きることへの問いかけ、今の自分へのエールとなる<新しい成長するアートのカタチ>です。

「生まれ、生きること」

なぜここに生まれたのか

その場所を選んで生まれると言うが

本当なのか

何度も生まれ変わると言うが

本当なのか

記憶もない

答えも見つからないが

私はただ

今を大切に

生きるだけ

・このコラボの話が来た時
「コラボレーション」とは、本来異なる立場の人による共同作業・成果物のことを指す言葉ですから、組み合わせの意外性や付加価値の創造を求められることから、今現存するものに何かを加えることでコラボレーションと言えるのか?という疑問はありました。ただ、非常にシンプルな「赤」を題材にしたもの仏具リメイクであり、雑貨としてある種のカワイサをもったものに生まれ変わっていたので、私が大切にすべきは、最初にある「
1」を私の付加価値「1」を足した時、「10」にも「100」にもなりうることふができるのか?を考えました。その核は「シンプルな強さ」を受けつぎながら、36さんのこの作品に込めた想いを苔と感性で昇華することだと感じてました。

・作品のテーマ決めた時
テーマを決めるにあたっては<「万博」のテーマ><「輪廻RINNE」の想い>から「生」をテーマにすることは決めていましたが、なかなか作品化に至らせることができませんでした。

・36さんの詩に出会って
そんな時、36さんが「64ノオト」という詩を書きSNSに毎日投稿していることを知り、そのアカウントをじっくり読ませていただき、人の気持ちの変化を感じ取ることができ、「言の葉のリンネ」というテーマに行き着くことができ、メッセージテラリウムという着地に至れました。

・テラリウム作りでこだわったところ、苦労、嬉しかったこと
苔で情景を作るのではなく、苔を感情表現の一種と見立て「言の葉に生を宿す」のが今回のテラリウムの苔の役目であることから「シンプル」と「変化」を心がけました。

・36さんと実際に会ってみて
実際にお会いすることによって、目で見る文字という言葉だけじゃなく、感情が入った生声の言葉や表情から読み取れる「言葉」も感じ取ることができ、実際にコラボレーション作品のプロトタイプを喜んでいただき、真の<コラボレーション>がここから始まるというワクワク感がさらに高まりました。

髙岡さんインタビュー

Kosmos

アルコールインクアートに出会ったきっかけは生きづらい人たちの心のケアになるものを探している時に偶然見つけました。
私自身が生きづらさを感じ人と同じ事が出来ないのを悩んでいましたが人と違っても良いという事をアートを通して知ってもらいたいと思い、これなら誰にでも出来て自分と向き合う事が出来るアートだと思い始めました。
筆やペンを使わず風の力で描く偶然から生まれるアート。
描いて癒され観て癒されるアートです。
1人でも多くの方が私の描くアルコールインクアートに癒されて心のケアになってもらえるようにこれからも活動していきます。

おるさん

爬虫類や両生類の飼育をきっかけに、彼らの生活環境を再現する「ビバリウム」という世界に魅了されました。やがて、自然とアートが調和する苔テラリウムの世界へ。兵庫テラリウム協会に所属し、実践を重ねながら制作スキルを磨いてきました。
作品は「癒し」「循環」「物語」をテーマに、自然生態系のリアルな表現からレジンやアート素材を取り入れた幻想的な演出まで、幅広いスタイルで展開。再生仏具とのコラボレーションや都市風景との融合作品も制作し、展示活動にも積極的です。
小さな世界に込めた大きな想いが、誰かの癒しや発見につながることを願って、日々創作に向き合っています。

コラボ作品:Kosmos + おるさん

想い

「めぐるいのちの座 −白蛇の祈り−」

祈りを捧げられてきた仏具は、やがて時を経て、役目を終えようとしていた。

けれど、アルコールインクアートによって、その仏具は再び“再生”の座として蘇った。

その上に置かれた小さな森もまた、命を失った風景。
枯れ葉、乾いた流木、石、土。そこに何も生きてはいない。

だが、ある日その森を白き蛇が静かに通り過ぎた。

白蛇の通った跡には、苔が芽吹き、シダが揺れ、命の音が戻ってくる。

白蛇は「祈りの化身」。
そして仏具は「祈りの器」。

これは、祈りと命の再生が重なり合う“座”。

命は終わらない。祈りがそれをつなぐ。
この小さな世界は、“いのちの記憶”を灯し続けている。

藤井 雄唯

過去にアパレル、飲食、農業を経験しながらイラストやデザインを副業として経験。
4年前にイラストレーターとして独立。
壁面や大きなキャンバスに企業向けのコンセプトアート作成。
野菜から出来た絵の具を使った子ども向けのお絵描きワークショップ活動。
自身のアート作品を世界に発信して行くためライブペイントやアート作品展などアーティストとしての活動に励む。
2024年7月にiPadを使ったお絵描き教室のオープン。

Greemo

めだかとの出会いを機に、アクアリウム、そしてテラリウムの魅力に深く心を奪われました。幼い頃から絵を描いたり、ものづくりが好きだったことを思い出し、苔や植物、石、砂、そして小さなフィギュアたちと共に、物語をガラスの中に詰め込む時間が、何よりの喜びとなりました。
より深く学びたいという思いから、兵庫テラリウム協会の講座に参加。そこで出会った先生方や先輩方の教えに触れ、大きな刺激を受け、「これだ」と思えるものに出会えた気がしました。
苔や植物への学びを深め、私にしか生み出せない世界をかたちにし、誰かの心にそっと寄り添えるような作品を創りたいと思います。

コラボ作品:藤井 雄唯 + Greemo

ありがとうファーム

ありがとうファームは、さまざまな障がいや難病を抱えた人たちが社会的自立に向けて訓練をする仕事場です。「いきいきと堂々と、人生を生きる。」「知ることは、
障がいを無くす。」を合言葉に飲食店とアート活動拠点を岡山市北区
表町商店街に構え地域に溶け込み日々働いています。芸術・音楽・教育をベースにいろいろな人と「共に生きる社会」を創ることが大きな
仕事であると考えています。

るみねん

建設業界で構造解析や3Dモデリングの設計に携わる傍ら、屋久島の白谷雲水峡を訪れたことが、苔との本格的な出会いとなりました。
言葉では言い表せない神聖な空間に心惹かれ、『苔をもっと知りたい』と思うようになりました。
兵庫テラリウム協会とのご縁をいただき、マスター講座で学びを深めました。苔の配置・管理・育成を意識し、丁寧な作品づくりを心がけています。
作品を通して、多くの方に苔の魅力が伝わるよう、日々研究と挑戦を重ね、精進しております。

ありがとうファーム + るみねん

陽和。

お寺に嫁ぎ、仏様を身近に感じながら生活させていただく中で、蓮の花や曼荼羅の美しさに魅了され、それらをアートとして表現できる『Botany painting』や『糸かけ曼荼羅』を学び、ワークショップや作品販売、研修会などを開き、魅力や楽しさをつたえています。
仏具とコラボをしている『Botany painting』では、蓮の葉やインド菩提樹などの神聖な自然物を使い、貼り付けや着色を技法として、天然の植物の持つエネルギーや魅力、仏具の美しさなど互いの魅力が引き立つような表現を目指しています。
仏具が私たちの手で再生され、再び輝き始める!素敵なプロジェクトに参加させていただき、新しい命の誕生に喜びを感じております。
葉の個性、自身の個性で満たされた『Botany painting』は愛と優しさ、温かさに満ち溢れたエネルギーアートです。
作品を見たり、手にしてくださった方に癒しや和み、パワーを与えて差し上げられるような作品づくりを目指しています。

岩佐 久恵

多肉植物の魅力に惹かれ、現在は自分のお店をオープンすることを目指して準備を進めています。
ひとつひとつ表情の違う多肉たちと向き合う時間は、私にとって何よりの癒しです。
また、苔テラリウムの世界にも興味を持ち、日々学びながら展示会やワークショップを通して、その奥深さや楽しさをお伝えしています。
自然と向き合いながら過ごす「スローライフ」や「自然の時間」を大切にし、忙しい日常の中でふと心がゆるむような、そんなひとときを届けられる存在でありたいと思っています。
植物とともに暮らす楽しさや癒しを、たくさんの方に感じていただけるよう、これからも丁寧に活動を続けていきたいです。

陽和。 + 岩佐 久恵